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2023/02/18
労務関連
その他の労働条件

試用期間とトライアル雇用との違い

トライアル雇用」は、職業経験の不足などから就職が困難な求職者等を原則3か月間試行雇用することにより、その適性や能力を見極め、期間の定めのない雇用への移行のきっかけとなることを目的とした制度です。労働者と会社がお互いを理解した上で無期雇用へ移行することができるため、ミスマッチを防ぐことができるとされています。

(引用元:厚生労働省 トライアル雇用とは?)

3ヵ月間、雇用した結果、会社が、労働者に適正・能力が不足すると判断した場合は、会社に雇用継続の義務はないことから、3ヶ月のトライアル期間の満了に伴い、雇用契約は終了となります。

この点、試用期間ありの雇用契約の場合は、試用期間中も労働契約は成立しているため、試用期間を経た後の本採用拒否は、解雇としての性質をもち、本採用拒否するためには一定の要件を満たす必要があります。

それに対し、トライアル雇用の場合は、はじめに雇用期間が3ヶ月と定められていることから、一種の有期雇用契約になります。一般の有期雇用契約と異なるのは、労働者の側も、法定のトライアル雇用であることを了解した上で応募していることから、一般の有期雇用契約の場合と異なり、3ヶ月の期間がそのまま更新されることへの期待がなく、更新拒絶をめぐり争いになる余地がほぼないというところです。

このトライアル雇用の対象となる労働者は、紹介日において離職しており、就労経験のない職業に就くことを希望している労働者だったり、そもそも就業経験が少なかったりブランクがある労働者がほとんどであることから、即戦力を求める会社にとっては向かない制度であるともいえます。

ただ、管轄するハローワークに提出する書類の作成は煩雑ではありますが、一定の要件をクリアした企業には、1人あたり月額最大5万円の助成金が支給されます。受給するためには、トライアル雇用期間終了日の翌日から2ヵ月以内に、ハローワークもしくは労働局へ、トライアル雇用結果報告書兼トライアル雇用助成金支給申請書を提出します。

トライアル雇用を利用しようとする会社にとって、一つ注意が必要なことがあります。それは、トライアル雇用を開始した日の前日から起算して6か月前の日からトライアル雇用期間を終了する日までの間に、事業主都合で雇用保険被保険者を解雇したことがある事業主はトライアル雇用の対象外とされていることです。トライアル雇用を利用しようとされる企業は、6ヶ月以内に事業主都合での解雇をしていないか、事前にチェックしましょう。

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