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2026/01/29
その他(労務関連)

訴えられてからでは遅いー労務トラブルは「予防法務」が重要です



「突然、元従業員から訴えられた」「労基署から是正勧告が入った」。企業経営者や人事担当者の方から、こうした相談を受けることは少なくありません。多くの場合、企業側に“悪意”があったわけではなく、「知らなかった」「昔からそうしてきた」という認識のズレが、深刻な労務トラブルに発展しています。だからこそ重要なのが、問題が起きてから対応する“事後法務”ではなく、問題を未然に防ぐ“予防法務”という考え方です。







労務トラブルの多くは、特別な場面ではなく、日常的な人事労務管理の中で生じます。例えば、残業代については労働基準法第37条が割増賃金の支払いを義務付けていますが、「管理職だから残業代は不要」と誤解されているケースは典型例です。実際には、いわゆる“名ばかり管理職”について残業代支払い義務を認めた判例もあります。

また、ハラスメントについては、労働施策総合推進法第30条の2により、企業にパワーハラスメント防止措置が義務付けられています。セクシュアルハラスメントやマタニティハラスメントも含め、企業は「起こさない努力」と「起きた場合の適切な対応体制」の双方を整える必要があります。






予防法務のポイントは、「ルールの整備」「運用の見直し」「相談体制の構築」にあります。まず、就業規則や賃金規程が現行法に合致しているかを定期的に確認することが重要です。古いひな型を使い続けていると、法改正に対応できていないケースが少なくありません。

次に、ルールがあっても運用が伴っていなければ意味がありません。例えば、36協定(労働基準法第36条)を締結していても、実際の残業時間が上限を超えていれば違法となります。さらに、従業員が不満や疑問を早期に相談できる窓口を設けることで、紛争の“芽”を小さいうちに摘むことが可能になります。



労務トラブルは「起きてから対処すればよい」と考えていると、取り返しのつかない事態に発展しかねません。訴訟や労基署対応にかかるコストは、予防にかけるコストを大きく上回るのが実情です。日頃から法令を意識した人事労務管理を行い、専門家の助言を得ながら体制を整えることが、結果的に企業と従業員双方を守ることにつながります。労務問題こそ、「訴えられてからでは遅い」分野であり、予防法務の実践が何より重要なのです。



自社は労務トラブルを事前に予防できているか気になる場合は、いつでも弊所までご相談ください。法律相談だけでしたら、5000円/30分円で対応させていただきます。




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